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菊池雄星 ルーキー秘話

Number 774号 ルーキー秘話。~プロ野球大型新人伝説~(2011年3月10日発売) 』より。

知らぬ間に、周りが期待する「20年にひとりの怪物ルーキー」を演じることばかりに意識が集中し、自分の体が発している黄色信号にも鈍感になっていた。

「トレーナーに報告するときも違和感という言葉に逃げていた。痛いっていうと、二軍に落とされちゃうと思ったので」

菊池は高校3年夏、左のあばら骨を骨折した。人よりも柔らかく、速い腕の振りが原因だった。そのため年内は投球練習は行なわず、年明け、合同自主トレから一気にペースを上げた。結果、新たな故障を招いたのだ。

脇腹がスムーズに動かなくなって、本来の位置より腕が高くなっていた。そのフォームで力を入れて投げたのがまずかった。

それでも痛みが小さかった自主トレ期は、まだ誤魔化しがきいた。ところが2月にキャンプインし、中盤、痛みがはっきりと感じられるようになるにつれ、まずは菊池の調整方法が明らかに冷静さを欠き始める。4日間のノースロー調整をしたかと思いきや、首脳陣に投げられるところをアピールしようと一気に171球も投げ込んだりした。

「何をやっているのか、わからなくなっていましたね。肩を壊したことがなかったので、ちょっと休めば治ると思ったのですが、そんなに甘いものではなかった」

「高校時代なら結果が出なくても、自分という人間だけは認めてもらえた。でも、プロはブルペンでの投球練習も含め、目に見えている部分がすべて。結果を出せない人間に対する見方が厳しくなるのは当たり前なんです。そういう目で見たら人間なんて、悪いところはいくらでも出てくるじゃないですか」

「最初の頃はいいことばかり書かれたのに、悪いことばかり書かれるようになった。マスコミって、そういうものですよね。持ち上げといて、落とす。だから、前に比べると人前に出たくなくなったし、人と話すことも好きじゃなくなった」

「気圧が低いと筋肉が張る。だから雨天の日は力を入れても無駄。ふわ~んと投げる」