RSS

カテゴリー : 著作 12件あります

清原和博の歩んできた「男道」:その他、全般編

清原和博の2009年の著作、「男道」。

最終回、第4回目の今回は、今までの3回には入らなかったエピソードの中から、心に留まった箇所を記していく。
続きを読む

清原和博の歩んできた「男道」:巨人とのこじれ、オリックスへの移籍、引退編

清原和博の2009年の著作、「男道」。

第3回目の今回は、FAで憧れの巨人に入ったものの、自身の成績の悪化とともに球団との関係性はこじれ、仰木彬からのラブコールを受けてオリックスへ移籍、そして引退へ編である。
続きを読む

清原和博の歩んできた「男道」:桑田との出会い、運命のドラフトからのKK物語編

清原の2009年の著作であり、私が大好きな「男道」。

第2回目の今回は、本書の中で、何と言っても一番興味深いテーマである、桑田真澄との関係性について。
続きを読む

清原和博の歩んできた「男道」:子供時代~PL学園編

清原和博のことを、自分は好きなのか、嫌いなのか。
取り立ててファンだったことはないし、敢えてその動向に注目したこともなかった。

しかし、PL学園でのKKの活躍には、小さい頃の自分は胸を躍らせていたし、まぎれもない時代の寵児であったし、やはり、時間が経っても自分にとってのヒーローであることに変わりはなかった。(PL時代は、私はどちらかというと桑田派ではあったが)
続きを読む

野村ノート(5) 打者に共通する苦手ゾーン

野村ノート/野村克也著(小学館文庫) 』より。

多くの打者に共通する苦手ゾーン

1.外角低目へのストレート
2.低目への変化球
3.特殊球
4.内角への快速球やするどく小さい変化球

1.が原点。投手はブルペンでそこにきちんと投げられるように練習している。
先発バッテリーには、初回に何球か原点に投じ、その日の原点能力を計りピッチングを組み立てるよう言っている。

1-1から2-1に追い込むと、右対右もしくは左対左の場合、打者は無意識に内角と外角の変化球をマークする習性がある。この場合原点が死角となって見逃し三振することがよく見られる。

3.の代表例はフォークだが、佐々木や上原はその精度が抜群だった。

その打席の最初に投げる内角球は決してストライクゾーンに投げるなと言っている。打者の反応を見て、狙ってくるのかこないのかを見極めることが大事。

清原の現役時代を見ていて、投手と駆け引きしている様子がまったく伝わってこなかった。明らかに投手が清原を怖がり、まっすぐなんか絶対来ないシチュエーションでも、まっすぐを待って変化球の明らかなボール球に手を出して三振している光景をよく見かけた。

野村ノート(4) 打者のタイプ

野村ノート/野村克也著(小学館文庫) 』より。

すべての打者が共通してもっているテーマが3つある。

1.変化球への対応
2.内角への苦手意識の克服
3.特殊球への対応

1.については、緩急の組み合わせ及び、ゆっくりしたフォームからピュッとキレのいい球が来る投手や、山本昌のように一見豪速球投手のようなフォームなのに来る球は技工派という投手の場合、変化球がやっかいになる。

3.については、フォークの他にチェンジアップや、内角に食い込むシュート、そして150kmを超えるストレートも含めてもいい。

このテーマから生じる打者のタイプを4つに分類すると

A.直球に重点を置きながら変化球にも対応しようとする
B.内角か外角、打つコースを決める
C.右翼方向か左翼方向か、打つ方向を決める
D.球種にヤマを張る

A.で常に高い結果を残せるのは、イチローのほか、松井秀のような天才タイプのみ。
外国人選手は見逃し三振を恐れないので追い込まれるまではA.追い込まれるとD.というパターンが多い。

B.は強打者がとることが多い。また無死二塁や、無死一二塁などの進塁打が強いられる場面でもとられる。

C.はいわゆる騙し。引っ張ると見せかけて逆方向を狙う。元木が代表例、バッテリーは狙いを絞りづらい。阪神の桧山もケースによって使う。

いい打者であればあるほど、基本はAでも状況に応じてタイプを使い分ける。それをどう読み取り、ついていくかが捕手に求められる高等技術。
CとDは打席に入る前に決めていることが多いが、Bは無意識のことも多い。

キャッチャーとして一番嫌なタイプはDタイプ。
仮にヤマが外れて三振をとってもうれしいのはその一瞬だけで、すぐに不安にかられる。次の打席にも影響が残る。

野村ノート(3) フォークボール対策

野村ノート/野村克也著(小学館文庫) 』より。

フォークを打つには、あるいはボールゾーンに落ちるフォークに手を出すことなくバットを止めるにはどうすればいいか。多くの打者が、技術を磨けばなんとかなると思っている。しかし、技術だけでは限界がある。私自身プロ入りして7,8年たったころにそのことがわかった。

プロのレベルであるならば100%フォークが来るとわかっていれば、たいていは対応することができる。ところがほとんどの打者が内角への速い球に対して警戒心、あるいは苦手意識があり、追い込まれるとどうしても内角球をマークする度合いが強くなる。しかも日本人の多くの打者は見逃し三振をしたくないために、追い込まれるまでは変化球にヤマを張っていても、ツーストライクを取られるとA型(直球に重点を置きながら、変化球にも対応しようとするタイプ)に変わる。イチローのような天才的な打者を除いて、ほとんどの打者は、変化球をイメージしながら直球に対処することができないからだ。

それでも、フォークはマークしないと打つことが困難な特殊球。
対策としては以下が考えられる。

1.目を大きく開いてミートするまでしっかり見るという意識を徹底する
2.力をうんと抜いて備え、目線を高めのストライクゾーンに置く
3.内角速球のマーク度を軽くして、素直にピッチャー返しのバッティングを心がける
4.クセが出やすい球種なのでクセを探す
5.どうしても対応が困難な打者は配球を読む

なかでも、3.に関連して、日頃から内角に強い印象を与えておくと有利となる。バッティングにおいて、内角の苦手意識やマーク度が高くなると、大事な「壁」を崩す原因となる。結論として、打者は内角球を打ちこなせないとプロでは飯は食えない。

野村ノート(2) 盗塁

野村ノート/野村克也著(小学館文庫) 』より。

一三塁でのダブルスチール。セオリーは捕手の送球が投手の頭を越え、投手が捕らない or 送球が高いと判断したら三塁走者がスタートする。しかしこれでは二塁ベースカバーに入った二塁手、遊撃手から本塁に転送され、9割方アウトとなる。そこで、三塁走者に捕手の手からボールが離れた瞬間にスタートをきるギャンブルダブルスチールを指示した。この場合、捕手が二塁に投げるかどうかの読みが重要。

もう少し厳密に言えば、三塁走者は通常は三塁線の外でリードをとっているが、捕手が捕ったと同時にラインの内側に入る。外側にいると三塁手との位置関係で、捕手が横目で三塁走者を見たときにどれぐらいリードしているかがわかってしまう。内側に入っていると距離感がなくなる。

このケース、仮に間一髪でアウトになったとしても、相手の捕手にこのケースでヤクルトは仕掛けてくるという印象を与え、シーズン初めにこうしたプレーをやっておくと、その1年間は一三塁のケースで一塁走者の二盗が非常にやりやすくなった。

このような作戦の効力は相手チームだけに与えるものでなく、相手以上に味方選手に効果を発揮する。うちは他のチームより進んだ野球をやっているという思いを生じさせ、さらにデータをもとに具体的な攻略法を授けると、それならおれにもできそうだという気にさせることができる。選手の監督に対する尊敬と信頼が芽生え、他チームに対しては優越感や優位感のようなものが生じる。弱いチームには特にそういう優位感を持たせることが必要。

ヤクルト監督に就任当初は、盗塁の際、セットポジションから最初に動く個所(右投手の場合の左肩、左足または首など)を見つけたり、タイミングを計って走者はスタートをきっていた。しかしクイックがうまい投手だったり左投手には通じない。

そこでスコアラーに投手別に何球まで牽制球が続くのかデータをとって、それに応じて始動の前に走るよう指示していた。
ギャンブルではあるが、成功すると、相手バッテリーはあまりの好スタートに何か投手のクセでも盗まれているのではないかとパニックになることもあるぐらいの効果がある。

日本シリーズでの広沢の三塁スタートの遅れを反省して生まれたギャンブルスタートは、一死三塁、打者が8番土橋、すなわち次が投手という場面でよく使った。さらにこれをヒントに、どうも犠飛が打てそうもないと直感したら三塁走者と打者でヒットエンドランの奇策をあみ出すことになった。

野村ノート(1) 選手の教育

野村ノート/野村克也著(小学館文庫) 』より。

何もしなくて、あるいは選手をおだてて好き勝手にプレーさせておいて、何年も優勝争いができるチームは出来上がらない。

負けが続けばチーム内に不協和音が生じ、その矛先は監督に向けられる。意味不明な、判断基準がわからない采配や根拠のない選手起用に選手はやる気を失い、こうした不満がマスコミや外部に漏れ、また新聞・雑誌がおもしろおかしく囃し立てることで士気が下がり、チーム力は低下していく。

不確定要素の多いスポーツにあって、常に安定した成績を残すためには、やはり原理原則に基づいた実践指導が何よりも大切となる。だからこそ監督には選手の意識を変える、教育という大きな仕事が求められるのである。

心が変われば態度が変わる。
態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
運命が変われば人生が変わる。

すなわち、心が人生を変える。

管理する者は、絶対に結果論で部下を叱ってはいけない。
もちろん根拠もなく勝負して負けてくるような選手は別。

野球というスポーツは4対6、時には3対7ぐらいの戦力差が生じても弱者は十分勝負になる。強い者が必ず勝つとはかぎらないのが野球である。要は考えて戦えば勝てるチャンスはある。

女房はドーベルマン(3) その他

女房はドーベルマン(野村克也著)』より

プロ野球といえども、まずは興業であり、人気商売。巨人ファンがいればアンチ巨人ファンもそれに匹敵する数がいる。私はアンチ巨人ファンが喜び刺激を感じることは何かを考え、巨人批判、長嶋批判を繰り返してきた。

さらに、巨人を挑発した理由がもう1つある。プロ野球とは「戦い」である。
野球を試合と思っているうちはまだアマチュア。
試し合いではなく、真剣勝負。この2つでは当事者の意識が違う。

攻撃において監督としてまず考えなければならないのは、得点圏に走者を置くこと。
塁に出るのは選手の仕事だが、セカンドにランナーを進められるかどうかは監督の采配が七割以上を占めている。

日本の今の応援スタイルは、選手に感動を与えにくい。1つ1つのプレーに観客の生の反応がかえってきていない。選手の観客への反応もしかり。

試合時間の短縮、プレーのスピードアップを目的にバッターボックスを外すな、サイン交換を速くしろと言われるが、ピッチャーの制球力が下がっているのが一番の原因。

キャッチャーは完全主義者でもある。人間のやることだから完璧などありはしないと思ったらおしまいだ。常に完璧なゴールを想定し、試合後そこにどこまで近づけたか反省する。
最初は完全試合を狙い、次にノーヒットノーラン、完封。いつもそう考えていた。

断言するが、野球というスポーツの奥深さも楽しさもキャッチャーというポジションに集約されている。どんなポジションにつくにしろ、野球を志す人は、一度はキャッチャーを経験したほうがいい。

私は、技術力、あるいはパワーやスピードだけでは、野球は絶対に勝てないという考え方に立っている。技術以外の無形の力、たとえば観察力、洞察力、分析力である。

野球について考えるとは、とりもなおさず人間について考えることだと言っていい。人間について考えるとは、人間の心理や行動について考えることである。

変化球を投げる理由。
1つはストレートのスピード不足を補うため(ストレートが速ければ変化球がなくとも打ち取れる)。1つはコントロールミスで打たれる可能性を低くするため(変化球を待っていればど真ん中にストレートがいっても打ち損じる確率が上がる。また、変化球を意識させるだけで効果がある)。

進行中のゲームについて話す解説と、結果がわかったあとに責任を負って書く評論は大きく違う。

阪神監督時代

男として童貞かどうかは、案外大きな意味をもつ。井川にも童貞を捨てるよう直言した。

サッチーには、ヤクルト時代のような覇気がなくなったとはっぱをかけられていた。

東京地検特捜部の家宅捜索の際には自分のノートも持っていかれた。

阪神は、野村の今後のことを考え、解任ではなく辞任とした。

マスコミとの付き合いがいかに難しいかを実感した阪神での三年間。

星野監督は気配りができ、処世術にもたけている。