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中継ぎや抑え投手はなぜイニングまたぎが嫌なのか

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木曜日経、おなじみの権藤さんのコラムから。

先日のプレミア12の韓国戦で、則本昂大の投手交代タイミングが俎上にあがっていたことからか、中継ぎや抑え投手がイニングをまたいで投げる問題点について触れている。

イニングをまたいで投げたとしても、打者が一人や二人増えるだけで、そんなに変わるのかと思いがちだが、そうではないと言う。

問題は味方の攻撃の間の「待ち時間」にある。パッと出て、さっさと1イニングを抑えて終わりなら、投手も何も考えずに済む。ところがイニングまたぎになると、あれこれ考えてしまうのだ。
 
最初の回を完璧に抑えたときが特に危ない。ベンチもスタンドも「もう安心」となる。だが投手は何が起こるかわからないと思っているから、待っている間に九回もびしっといかねばと自分にプレッシャーをかけてしまう。

横浜時代の佐々木主浩にしても、イニングをまたいだ起用は非常に少なかったと思うが、登板前の回の、味方の攻撃が変に長引くと、ブルペンでイライラしているのがモニターから伺えて、敢えて攻撃を早く終わらせようとスチールのサインを出したこともあったという。

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同じく元横浜で今年引退した斉藤隆も繊細で、渡米する際に、ドジャースのスカウトに「彼はイニングまたぎはNG」と権藤さんが念を押したという。

投手出身の権藤さんだけあって、選手にいろいろと気をつかっていたことがわかるエピソードである。

 
今までの連載でも、時々、解説者の無知・無能ぶりにつっこむことがあったが、今回も「投手が3人で締めたから、リズムよく攻撃に入れる」とよく言われることに対して

投手のテンポがいいと、相手投手も「さあ俺の出番」とリズムよくマウンドに上がれる。だから、味方の投手が抑えているときに限って、案外点が入らない

と言い、プロ野球の解説はもっともらしい嘘に満ちていると、バッサリ切り捨てている。

 
ハッキリとは言っていないが、則本の交代に関しても一家言ありそうで、その中身が気になるところ。

 
<<追記>>
2016.2.4の日経の権藤さんのコラムに以下の言葉が。

打たれる前に代えることが継投の要点。しかしその場合、投手にどんな言葉をかけるか、イニングまたぎのときはどんな言葉をかけるのか。大げさでなく、この50年近く、私はそんなことばかり考えてきた。

侍ジャパンの投手コーチを務めることが決まった権藤さん。その力を存分に発揮してほしいものだ。

 
<<さらに追記>>
2016.3.3の権藤さんのコラムのテーマも抑え投手についてだった。本当に抑え好きな方である。

一から抑えの投手を作る場合、その対象となる選手にどう告げるか。

近鉄時代の1988年、当時5年目の吉井理人を抑えに抜てきした際はさりげなく事を運んだ。86年のセーブ王、石本貴昭が登板過多で衰え、私は早くから、気持ちが強い吉井の起用を考えていた。それでも吉井の精神的負担を考え、マスコミには「ウチには石本という立派な抑えがいる」と言い続けた。近鉄の抑えは吉井だったんだ、となったのはシーズンを終えたときだった。

重圧がかかる抑え投手への配慮は、これぐらい必要だというのが権藤さんの持論。

これも恒例だが、同じ回のコラムの中で、ピッチャーやキャッチャー出身の監督をディスってるのが面白い。

常に野球の中心にいる投手や捕手出身の監督は一部の例外を除き、自分たちが一番優秀だと思っているから、選手のアラばかり目が行き、微妙な心理に気が回らない。

そして、外野手出身の監督であるヤクルトの真中満を評価している。

権藤さんに従うと、今年のペナントレースでは、新たに外野手出身監督が率いることになった、阪神(金本)、巨人(高橋)、DeNA(ラミレス)に注目だ。

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