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下柳剛が語る伊良部秀輝

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スポニチアネックスの連載で、弟のように可愛がっていた伊良部について書いている。(『酒の席でいきなりシャドーピッチング 野球の虫だったラブちゃん』)

あの伊良部を「ラブちゃん」と呼ぶほどの間柄。

東京から新幹線に乗って大阪へ向かっとった。目的はマンション探し。新幹線で一息ついとったら、なんか人影を感じた。
「先輩、お久しぶりです。今年から先輩と同じ阪神でプレーさせてもらうことになりました。どうか、よろしくお願いいたします!」

伊良部は下柳のことを「先輩」と呼んでいた。
もっとふてぶてしいイメージだが、実際は礼儀正しい。

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2人とも野球のことをしゃべり出したら、もう止まらない。新地のクラブで飲んでたときも、野球モードになったら周りに女の子がいようが関係ない。おもむろに席から立ち上がったかと思うと、いきなりシャドーピッチングや! そら、オレ以外の全員があっけにとられとったわな。
それぐらい、アイツは投球フォームにはとことんこだわっとった。

あの巨体がクラブで立ち上がっていきなりシャドーピッチングし出したら、ボディガードを呼ばれかねないだろう。

すでに現役引退しとった2008年か。六本木の鉄板焼きで飯を食っていたら、またまた突然、ラブちゃんが立ち上がった。ちょうど、壁が鏡張りになっているお店やったんやけど、それに気付いたんやろうな。鏡をチラチラ見ながら、あいつが「先輩、フォームを見てください」と言ってきた。そのときの表情も、本当に真剣でね。
オレも自分が思うところを、しっかりと伝えた。
「ヒールアップをやめてみたらどうや。それではどうしても、膝に負担がかかってしまうやろ」
 ラブちゃんは投球時、軸足である右足の踵を上げていたからね。試しに踵を上げずにシャドーピッチングをしてみたら、痛みがないという。

一流の選手たちは、みな愛すべき野球バカなんだなということを再認識させられるエピソード。

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