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落合博満のキャンプ&オープン戦論

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キャンプシーズンも終盤を迎えようとしているが、興味深い記事を見つけたのでメモ。

ベースボール・ジャーナリスト横尾弘一氏によるベースボールチャンネル上でのコラム『”打席でバットを振らなかった理由” 落合GM流オープン戦の考え【横尾弘一「野球のミカタ」】』より。

中日監督時代の落合の言葉。

シーズンオフに描いた青写真をキャンプで修正すれば、監督の仕事は8割方終わったも同然

横尾氏によると

開幕から一軍入りする投手陣の人数や顔ぶれも(キャンプイン前には)固まっているのだという。それを確認するのがキャンプであり、故障者や著しくパフォーマンスを落とす選手が出れば、オープン戦の間に手を打つ

とのこと。

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一方、対戦相手の戦力、特に新戦力に関してはオープン戦で分析すると。
もちろん球団は総力をあげて敵チームの情報を収集するが、落合自身はそのデータや数字を参考にしても、先入観は持たない。

例えば投手の場合なら、キャンプ地の沖縄や九州でのオープン戦で好投を続けたと言っても、ペナントレースになればその球場のマウンドでは投げない。では、ストレートの質はどうか、変化球はどんなのを投げるのかと見ていっても、マウンドのほかに気温や湿度、風向きなどもシーズン中とは違うでしょう。だから、どういうフォームから投げるのか、どんな体の使い方をするのかを参考程度に見るだけ。メディアやファンはオープン戦の結果で期待を膨らませるけれど、こちらは自分のチームの新戦力に期待もしなければ、他チームで頭角を現してきた選手を警戒もしない。さぁ、開幕してからどうなりますか、という感じだね

とはいえ、監督にも選手にも、オープン戦の間に取り組むべき共通点はある。それが、野球に対する感覚を研ぎ澄ませておくこと。

プロ野球選手は、約半年間という長いシーズンを戦うのが仕事。だから、一年ごとに経験を積めば、技術やコンディションの面では、いつ何をすればいいかという知恵はついてくる。開幕の頃はこういう体調で、こんなプレーができればいいと頭と体がわかっているから、そこまでにもっていく方法を理解していれば心配ないでしょう。ただ、一年経つごとに知恵は増えるんだけど、年も取っていくから変化するものがある。35歳の自分と36歳の自分には、どこかに必ず変化した点があるんだ。それをどう自覚し、何らかの対処が必要ならば、開幕までに済ませておかなければいけない。そうしたことに早く気づく感性というのかな、自分自身の変化に対する感覚を研ぎ澄まさなければならないでしょう

現役時代の落合は、オープン戦の段階になっても、まだ目が慣れないうちに変化球まで打とうとすると技術を壊すと考え、若手投手が必死に変化球を投げ込むと、ピクリとも動かずに見送り三振することもあった。そうやってデリケートにコンディションや技術を考えながら、「変化球に目が慣れるのが遅くなった」とか「前年とオフの取り組みを変えたら腰の状態がよくなった」などと、自分自身の僅かな変化を確認

していたという。

キャンプ期間の過ごし方がすべてというわけではないのだろうが、一流の成績を残す人は自ずとキャンプ期間中の過ごし方も工夫しているもの。

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