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イチローの変化と残してきた言葉

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日経電子版上で、鉄村和之氏と丹羽政善氏のセミナー(?!)の様子が記事となっていた。
イチローの打撃変化 持ち味のゴロ増すも三振率高く

2014年のイチローは、打率こそ.284と、初めて3割を下回った2011年以降ではもっとも良い数字を残したものの、ヤンキースの起用方法もあり、打席数は.385にとどまる結果となった。

丹羽氏はイチローのゴロ率に着目。

イチローはその数字が高いほど、打撃成績もよい傾向がある

262安打のメジャー最多安打記録を作った04年は全打球のうち63.7%がゴロだった

本人も「ゴロを打つことで確率が増す。可能性を生む」と話している。ゴロを打てば内野安打になるかもしれないし、相手が失策することもある

打率をかなり落とした昨年と一昨年を見ると、52.3%と50.9%でイチローにしてはその数字が低かった。しかし、今年は57.9%で比較的高かった

それなのに、なぜ今年の成績が芳しくなかったというと

三振の多さが問題だったと思う。メジャーに渡った01年は7.2%しか三振していなかったが、今年は17.7%。細かく分析すると、空振り三振が増えている

代打や代走、守備固めでの出場だったりと、これまでのシーズンと単純に比べることはできないのかもしれないが、三振の率が2倍以上になっているというのは驚き。
ちなみに、2013年の三振率は11.4%。数字上ではこの1年での変化が大きい。

丹羽氏はボール球を振った時のバットに当てる率についても触れている。

これまではストライクではなく、ボール球を振りにいっても、バットに当ててファウルで逃げていた。ボール球を振ったときにバットに当てる確率は08年が82.8%だったのに、今年は73.1%

また、コース別の打率を見ると、2009年は、高めの3つのゾーンを除いて米国でいうコールドゾーン(打率1割台以下の青いゾーン)がほとんどなかったのに対し、2014年は内角低めは.455打っているものの、ほかの内角球はほとんど打てていない。特に、ボール球の内角の数字は非常に低かった。

これをもって、丹羽氏は以下のように結論づけている。

以前に比べ、今年は打てないゾーン、弱いゾーンがはっきりしていた

 

続いて、長らく取材をしてきた中で、特に印象に残ったイチローの言葉が話題に。

2008年、3000本安打を放った時に、その原動力は何かと問われて

僕が何かを自分のために生かすことというのは、人のことを見て、学ぶことが多いんですよね。自分の中から何かを生み出していくことっていうのは、あんまりない。人の行動を見ていると、すごく気になることがたくさん見えてきて、それを自分に生かすというやりかたで、まあ、ずっと、すごく嫌らしいやり方ですけど、そうやって、今の自分があるような気がするんですよ

丹羽氏がこの発言は「衝撃的」だったと評しているが、確かにそれまでのイチローの発言からは想像できない内容ではある。

もう一つ。2013年に日米通算4000安打をマークした時の言葉。

ヒットを打ってきた数というよりも、こういう記録、2000とか3000とかあったんですけど、こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分では別にないんですよね。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字でいうと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたら、そこじゃないかと思いますね

心の持ち方の問題なんだろうが、元広島の前田智徳も、放ったヒットに喜ばず凡打の反省ばかりしていたと聞くように、トップクラスの選手たちは、だめだった結果と真摯に向かい合っていることがわかる言葉である。

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