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日経に連載している権藤博氏のコラムの中から

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このブログで今まで何度も引用させていただいているが、日経朝刊のスポーツ欄に、毎週木曜日権藤さんのコラムが連載されている。

今回は、2016年に連載されていたものの中で、今までのブログで取り上げられなかったものの、「これは!」という権藤イズムや、鋭い考察が含まれていた箇所をピックアップして紹介していく。

 

1.投手篇

大谷翔平が、7/10のロッテ戦で右手中指のマメをつぶして以来、先発から遠ざかっているのを受けて。

鍛えようと思っても鍛えられないのが指先。私も現役時代にはよく爪を痛めた。爪が細くて弱く、人さし指と中指の爪先に横筋が入って割れた。短い爪で投げていると、皮膚に負担がかかり、マメができた。社会人のときは血が出そうになっても投げていたが、プロではそうもいかず、塗って固める「液体絆創膏」で補強した。本来、マメの管理はそう難しいものではない。キャンプ、オープン戦で一度作ってつぶし、固めたらあとはOK。(2016年8月18日掲載)

投手のマメの管理について書いてある文章を初めて目にした気がする。

巨人、沢村の起用に関連して。

抑えが失敗するときの原因の多くは技術的なことよりも、ベンチの不安が伝染してしまうことにある。(2016年12月8日掲載)

 

2.打者篇

侍ジャパンの合宿で大谷の打撃をはじめて間近でみて、ブライアントを思い出したと。

大谷の打撃練習を見ると、真芯でとらえて本塁打性の打球を放ったときにも、バットが空を切る「ブン」という音がしていた。これができるのは私が知る限り、ブライアントだけだった。145グラム前後の重さがある硬式球が高速で飛んできてバットとぶつかると、大変な衝撃になる。このためバットも減速し、一流といわれる打者でも「ブン」という音はしない。(2016年11月10日掲載)

侍ジャパンの中心人物である中田翔について。

「あんなバッティングで、よく100打点もいったな。そこがおまえの感性だよな」走者がたまったときの中田の集中力には誰もかなわない。打率に関係なく、投手からみて一番怖いタイプだ。(2016年12月22日掲載)

 

3.戦略、ベンチ篇

3点差が難しいという話。

満塁になって一発が出たらと不安になり、何とも落ち着かない。これが1点、2点のリードなら何が起こっても不思議はないと開き直れるし、4点差なら満塁弾を食らってもまだ同点と、と腹をくくれる。

同じ様に、ペナントレースにおいての、微妙なゲーム差について。

1998年に横浜で優勝したときは、首位に立っても2,3ゲーム差だからよかった。こっちが3連敗、相手が3連勝でひっくり返る差だから、首位の実感もなく、ノープレッシャーで戦えた。逆に誰もが「優勝は決まり」と思うゲーム差が、当事者にとってはきつい。恥の文化が日本にはある。ここまできて負けたらみっともない、恥ずかしいという気持ちが重圧を生む。ずっと気楽だった私も、マジックが5を切ってから、柄にもなく緊張したものだった。

なるほどなーとは思うが、これを知ったところで点差やゲーム差をコントロールできるわけじゃないところが辛い。

広島の負けっぷりがいいことについて。

7月29日のDeNA戦は5本塁打を浴びて3-19。逆転負け、1点差負けと違い「さあ、またあした」と切り替えられる大敗だ。こういう後腐れのない負け方をしているうちはズルズルとはいかないだろう。(以上3つとも、2016年8月4日掲載)

これまた、わかったところでどうしようもないが…

現在は、昔ほど信賞必罰の対応が徹底できないという。

大きな障害になっているのは監督、コーチの年俸がベールに包まれていることだ。契約内容は選手のようには表に出てこない。そのくせ、2位以下は全部負けだった昔と違い、今は3位に入れば堂々継続となる。これは甘い。(2016年11月24日掲載)

そして、最後に。

教えてうまくやるやつはいない(掲載日不明)

大事なのは、自主性をいかに引き出すか。

また、いずれ2017年版もまとめてみようと思う。

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