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権藤さんの期待も空しく…それでも期待したい松坂大輔という逸材

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2016年9月29日の日経朝刊のコラムにて、権藤さんは、「満員の観衆のなかで一流の相手と対戦したときに、緊張と興奮を自分の力にできる」のが怪物だとし、その一人が松坂だと評していた。

パワーはあるが、それほどいい投げ方をしているわけでもなく、制球もまあまあ。

にもかかわらず、夏の甲子園の決勝でノーヒットノーランを演じたり、プロ1年目から3年連続最多勝をとったり、メジャーでも移籍からの2年間で33勝をあげ、WBCでも大活躍。
それはとりもなおさず、彼が大舞台でこそ活躍する人材だということを、権藤さんは主張する。

大観衆が見守るマウンドで、一流の打者と対戦し、やるかやられるかという勝負をするのでないと、彼の力は出ない。お客の少ない2軍のマウンドで投げれば投げるだけ、並の投手に落ちていく恐れがある。

権藤さんが松坂に特に期待するのは、自身が横浜の監督だった際に、ドラフトのクジを外したという思い入れが強いこともあるだろう。しかし、それをさておいても、松坂の全盛期を知っているファンならば、彼の再起を期待したくなるものだ。

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5年前に右肘にトミー・ジョン手術を受け、2015年8月には右肩手術、さらに今年5月には右手指先の違和感を訴えたりと満身創痍の松坂。
日本球界復帰2年目の今年に入っても2軍での調整が続き、今季のウエスタンでの成績は9試合で1勝4敗、防御率4.94にとどまる。

 
しかしそんな状況下にもかかわらず、10月2日、楽天との最終戦(143試合目)、西武時代の2006年10月7日以来、ほぼ10年ぶり(3648日ぶり)に日本プロ野球の1軍のマウンドに松坂が立った。

事前のインタビューでは

ド緊張するでしょうけど、何とかしっかり投げられるようにしたい

長かった。自分でも、もうないだろうと思っていた。単純にうれしかった

と語っていた。

 
しかし蓋を開けてみると、先頭の嶋に四球、続く島内宏明には死球、梨田監督の粋な計らいで西武時代の盟友・松井稼頭央が代打に送られるも続けて死球で無死満塁とすると、ペゲーロには押し出し四球を与え1点を失い、その後もタイムリーを浴びるなど、1回3安打4四死球5失点という無惨な結果に終わった。

なお、松井稼頭央と松坂の対戦は、松井がロッキーズに在籍した2007年10日のワールドシリーズ第3戦に、当時レッドソックスの松坂と対戦し3打数1安打して以来、9年ぶりだった。試合後の松井へのインタビューでは、

「これだけ登板が空いていて緊張感もあったと思う」と元西武の後輩を気遣った上で「結果は別として、また同じ場所に立てたことは、僕にとっても刺激になります」と話した。
スポニチAnnex」より

 
1イニングのみの投球だったとはいえ、さすがに注目度の高い松坂。TVのスポーツ番組やスポーツ新聞でも、この投球へのコメントが相次いでいた。

フジテレビ「Mr.サンデーHERO’S 合体SP」では石井一久が「少し胸の開きがはやい」と指摘。

TBS「S1」では槙原寛己が以下のようにコメント。

(ボールが)指にかかってないですね。完全に抜けちゃってる。シュート回転していますから。下半身もほとんど使えてない。フォームもバラバラ」と指摘すると、「左肩の開きがはやくて相変わらずシュート回転の球が多い。143キロの球が出ててもバッターからすると一番打ちやすいスピードになっちゃってる。多少低目にいっても打たれちゃう。もう少し下半身と上半身がうまく使えるようになってくるとモノになると思うんですがまだまだですね
livedoor News」より

サンスポでは、荒木大輔が

もともと器用に全身を使って投げるタイプではなく、上体頼みの投球フォーム。ブランク明け、しかも緊張も加われば、この日のように制球が大荒れになることは予想できた。先頭の嶋には直球系で押したが、カーブやスライダーで肩の可動域を広げていき、徐々に速球系を増やしていく方法もあった。西武時代からバッテリーを組む捕手の細川も苦労したと思うが、松坂の現状と昔からの特徴を考慮してもよかった。
「【荒木大輔 ピッチbyPitch】松坂、CS戦力になる状態ではなかった – SANSPO.COM」より

とコメント。

また、面白かったのが、松坂からヒットを放った、銀次と(西武ファンだったという)茂木のコメント。

銀次「あの怪物と言われた投手からヒットを打てたのでずっと心に残る」
茂木「テレビや球場で見ていた選手なので不思議な感じ」

伝説化されている松坂という存在ならではだろう。

松坂自身、試合後のインタビューでは、

緊張感があり、自分の望む結果ではなかったが投げることができたのはよかった。結果と内容を受け止めてまた2軍で頑張りたい。工藤監督からは『前を向いて』と言われた。来年に向けてしっかり一から作り直すしかない

(ファームがある)筑後で頑張ります

と答えていた。

契約最終年の来年。一矢を報いてほしいものだ。

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